「社外秘のデータを使ってRAG(知識検索)を作りたいけど、クラウドに上げるのはNG…」
「Difyのクラウド版を使っていたけど、制限を気にせずガシガシ実験したい…」
そんなあなたのための最適解が、「Difyのローカル環境構築(セルフホスト)」です。
難しそうに聞こえるかもしれませんが、実はDockerというツールを使えば、MacでもWindowsでもコマンドを3回叩くだけで立ち上がります。
本記事では、エンジニアの私が実際に行っている手順を元に、外部へのデータ流出リスクがゼロの「完全プライベートなAI開発基地」を構築する方法を解説します。
【結論】Dockerを使えば「3ステップ」で完了する
Difyのローカル構築は、以下の3ステップで完了します。
- 準備: Docker Desktopをインストールする。
- 取得: Difyのソースコードをダウンロード(Clone)する。
- 起動: 魔法のコマンド(docker compose up)を唱える。
これだけで、あなたのブラウザ上でDifyが動き出します。サーバー代もかかりません。
Step 0: 事前準備 (Docker Desktopのインストール)
Difyを動かすための「土台」を作ります。
- Windowsの方: Docker Desktop for Windows をインストールしてください。
- Macの方: Docker Desktop for Mac をインストールしてください。(Apple Silicon搭載機なら「Apple Chip」版を選択)
インストール後、Docker Desktopを起動し、左下のステータスが「Running(緑色)」になっていれば準備OKです。
Step 1 & 2: Difyのインストールと起動
ここからは「ターミナル(Mac)」または「PowerShell(Windows)」を開いて操作します。
以下のコマンドを順番にコピペして実行(Enter)してください。
1. ソースコードのダウンロード
Difyの公式リポジトリをあなたのPCにコピーします。
git clone https://github.com/langgenius/dify.git
2. フォルダの移動
ダウンロードしたフォルダの中にある、Docker設定ファイル置き場へ移動します。
cd dify/docker
3. Difyの起動(魔法のコマンド)
必要なシステム(データベースやAPIサーバーなど)をまとめて立ち上げます。
docker compose up -d
※初回は数GB分のデータをダウンロードするため、回線によっては5〜10分ほどかかります。画面に「Started」や「Running」の文字が並べば成功です。
Step 3: ブラウザでアクセスして初期設定
黒い画面での操作はこれで終わりです。
ブラウザ(Chromeなど)を開き、以下のアドレスにアクセスしてください。
http://localhost/install
Difyの管理者アカウント作成画面が表示されたら勝利です!
メールアドレスとパスワードを設定すれば、クラウド版と全く同じ画面が使えます。
【応用】Ollamaと連携して「完全オフラインAI」にする
Difyをローカルに入れただけでは、AIモデル(GPT-4など)を使う際にOpenAIへデータが飛びます。
「データも外に出したくない」場合は、ローカルLLM実行ツール「Ollama」と連携させましょう。
設定のポイント:Dockerの壁を超える
Dify(Dockerの中)からOllama(PC本体)に接続する場合、URLの指定にコツがいります。
- Ollamaをインストールし、モデル(例:
ollama run llama3)を起動しておく。 - Difyの設定画面 > [Model Provider] > [Ollama] を選択。
- Base URL に以下を入力(重要!):
http://host.docker.internal:11434
localhost ではなく host.docker.internal を使うのが鉄則です。これで、インターネット接続すら不要の最強セキュリティ環境が完成します。
よくあるトラブル (FAQ)
Q: “Port already in use” エラーが出る
A: 他のアプリが場所(ポート80番など)を取っています。
Webサーバー(Apache/Nginx)やSkypeなどが動いていませんか?
解決策として、docker/docker-compose.yaml ファイルを開き、ports: の設定を - "80:80" から - "8080:80" などに変更して起動し直してください。その場合、アクセスURLは http://localhost:8080 になります。
Q: Difyを最新版にアップデートしたい
以下のコマンドを実行するだけでOKです。データは消えません。
cd dify/docker
git pull origin main
docker compose down
docker compose up -d
まとめ
Difyのローカル構築は、Dockerさえあれば恐れるに足りません。
- コスト0円
- データ流出リスクなし
- 制限なしで使い放題
この環境があれば、社外秘の議事録要約AIも、個人情報の塊である顧客データ分析も、安全に開発できます。まずはDocker Desktopのインストールから始めてみてください。
参考文献・リンク
- Dify GitHub Repository – 公式ソースコード
- Dify Docs: Docker Compose Deployment – 公式マニュアル


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