「ChatGPTと何が違うの?」
最近、テック業界でバズワードとなっている「自律型AIエージェント(Autonomous AI Agent)」。
一言で言うなら、ChatGPTが「あなたの指示を待つ優秀なアドバイザー」だとすれば、AIエージェントは「ゴールだけ伝えれば、自分で手順を考えて行動する優秀な部下」です。
「AIに仕事を奪われる」と恐れるのではなく、「AIを部下にして仕事を任せる」時代がすでに来ています。本記事では、その仕組みの違いから、NoCodeツール「n8n」を使って実際にあなたのPCでAIエージェントを動かす方法までを解説します。
【結論】違いは「自分でToDoリストを作れるかどうか」
従来のチャットボット(LLM単体)と、自律型エージェントの違いを「旅行計画」で比較すると一目瞭然です。
| 比較項目 | ChatGPT (チャットボット) | 自律型AIエージェント |
|---|---|---|
| ユーザーの指示 | 「北海道旅行のプランを考えて」 | 「来月の予算5万円で、北海道旅行を予約しておいて」 |
| AIの行動 | テキストでプランを提案して終了。 (予約は人間がやる) |
1. 飛行機の空き状況を検索 2. ホテルを比較 3. 予約サイトにアクセスして完了 |
| 役割 | 相談相手(受動的) | 実行者(能動的) |
自律型AIエージェントの仕組み:脳と手足
なぜこんなことができるのでしょうか? AIエージェントは、LLM(大規模言語モデル)を「脳」として使いつつ、そこに「手足(Tools)」と「記憶(Memory)」をくっつけた構造になっています。
1. 感知 (Perception) と 思考 (Reasoning)
ゴール(目標)を与えられると、AIは「何をすればいいか?」を分解して考えます。
「予約するには、まず日付が必要だ。次にフライト価格を調べよう…」といった具合に、自分でToDoリスト(思考プロセス)を作成します。
2. 行動 (Action) と 道具 (Tools)
思考の結果、「検索が必要だ」と判断したら、実際にGoogle検索を行います。これが「ツール」の使用です。
n8nなどのツールでは、AIに「Web検索」「スプレッドシート書き込み」「メール送信」などの道具を持たせることができます。
【実践】n8nで「自律型エージェント」を作ってみよう
理論はここまでにして、実際に手を動かしましょう。
業務自動化ツールn8nには、現在「AI Agent」という強力なノードが搭載されており、誰でもノーコードでエージェントを構築できます。
今回は「最新のAIニュースを勝手に調べて、要約してSlackに届けるエージェント」を作ります。
Step 1: AI Agentノードを配置する
ワークフローに [AI Agent] ノードを追加します。これが「司令塔」になります。
- Model: OpenAI Chat Modelなどを接続(GPT-4o推奨)。
- Prompt: 「最新のAIトレンドを調査し、ビジネスマン向けに3行で要約してください」と入力。
Step 2: 「手足(Tools)」を持たせる
このままではAIは最新情報を知らない(学習データが古い)ため、検索能力を与えます。
- AI Agentノードの入力部分にある「Tools」プラスボタンを押します。
- [SerpApi] や [Google Custom Search] などの検索ツール、または [Wikipedia] ツールなどを接続します。
- または、[HTTP Request] ツールを持たせて、特定のニュースサイトを見に行かせることも可能です。
これでAIは「答えを知らない時、このツールを使って検索すればいいんだ」と理解します。
Step 3: 実行と観察
[Execute Node] を押して実行してみましょう。
通常のチャットボットなら「私の知識は2023年までです」と答えるところを、エージェントは以下のように動きます。
- 「最新情報を知るために検索ツールを使おう」と思考。
- 実際にWeb検索を実行。
- 検索結果を読み込み、内容を要約。
- 最終的な答えを出力。
この思考プロセス(Chain of Thought)がログとして見えるのが、n8nのエージェント機能の面白いところです。
おすすめのエージェント開発ツール3選
n8n以外にも、自律型エージェントを作るための選択肢はあります。
- n8n: 【推奨】業務フローへの組み込みが最強。既存のSlackやスプレッドシート連携とAIエージェントを同列に扱える。
- Dify: AIアプリ作成に特化したオープンソースツール。RAG(知識検索)が得意。
- BabyAGI / AutoGPT: コマンドラインで動く、エージェントの先駆者。開発者向け。
まとめ:AIは「使う」から「働かせる」へ
自律型AIエージェントの登場により、私たちの役割は「作業者」から「マネージャー」へと変わります。
- 指示出し(Prompting): ゴールを明確にする。
- 権限委譲(Tools): 適切な道具を持たせる。
- 評価(Review): 結果を確認する。
まずはn8nの無料プランやDesktop版で、単純な「検索エージェント」を作ることから始めてみてください。「AIが自分で考えて動く」感覚を一度味わうと、もう元のチャットボットには戻れなくなります。


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