「サーバーの不具合で、作り込んだ自動化フローが全部飛んだ…」
「間違って上書き保存してしまい、前のバージョンに戻せない…」
n8nは非常に強力なツールですが、バックアップを怠ると一瞬ですべてを失うリスクがあります。特にVPS(自前サーバー)で運用している場合、データの保全は完全に自己責任です。
「でも、毎日手動でファイルを保存するのは面倒くさい」
その通りです。だからこそ、「n8nのバックアップ作業自体を、n8nに自動化させる」のが正解です。
本記事では、基本の手動エクスポートから、「毎日勝手に全ワークフローをGoogle DriveやGitHubに保存してくれる自動バックアップシステム」の構築手順までを解説します。
【基本】手動でのエクスポートとインポート
まずは最も基本的な「JSONファイル」としての保存方法です。個別のワークフローを保存したい時や、別のPCに移行する時はこの方法を使います。
エクスポート(保存)の手順
- 保存したいワークフローを開きます。
- 画面右上の [︙] (三点リーダー) メニューをクリックします。
- [Export] を選択し、[Download] をクリックします。
.jsonという拡張子のファイルがPCに保存されます。これがワークフローの設計図そのものです。
インポート(復元)の手順
- n8nのワークフロー一覧画面(Workflows)を開きます。
- 右上の [Add workflow] の横にある [Import from File](またはメニュー内のImport)を選択します。
- 保存しておいたJSONファイルをアップロードすれば、元通りに復元されます。
【推奨】n8nノードを使った「全自動バックアップ」の構築
人間は必ず「保存」を忘れます。そこで、n8n自体に搭載されている「n8nノード(自分自身を操作する機能)」を使って、毎日深夜に全データをクラウドストレージに退避させるフローを作りましょう。
完成形のイメージは以下の通りです。
- Trigger: 毎日AM 3:00に起動
- Action 1: n8n内の全ワークフローデータを取得
- Action 2: 現在の日付フォルダを作成
- Action 3: Google Drive (またはGitHub/Dropbox) にJSONファイルとして保存
Step 1: APIキーの発行 (Public API)
n8nが自分自身のデータを取得するために、APIキーを作成します。
- 画面左側の [Settings] > [Public API] を開きます。
- [Create an API key] をクリックしてキーを発行し、コピーしておきます。
Step 2: 自動化フローの作成
新しいワークフローを作成し、以下のノードを繋いでいきます。
1. Schedule Trigger
- Interval: Days
- Time: 3:00 (夜中などの使わない時間)
2. n8n Node (データ取得用)
※Core Nodesにある「n8n」というアイコンのノードを使います。
- Credential: Step 1で作ったAPIキーを設定(n8n Public API)。
- Resource: Workflow
- Operation: Get Many (すべて取得)
- Return All: ON(これですべてのフローがリストで取れます)
3. Google Drive / GitHub Node (保存用)
取得したデータは複数のアイテム(ワークフローの数だけある)として流れてくるので、そのまま保存ノードに繋ぎます。
Google Driveの場合の設定例:
- Resource: File
- Operation: Upload
- File Name: 以下のExpressionを設定して、動的なファイル名にします。
{{ $json.name }}_{{ $today.format('YYYY-MM-DD') }}.json - Binary Data: OFF(JSONテキストとして保存するため)
- File Content:
{{ JSON.stringify($json) }}
※ここがポイントです。取得したオブジェクトデータを、テキスト形式のJSON文字列に変換して保存します。
【上級者向け】Git連携機能 (Source Control)
もしあなたがGit(GitHub/GitLab)に慣れているなら、n8nの公式機能であるSource Controlを使うのも手です(設定画面の [Source Control] から設定可能)。
ただし、この機能は設定がやや複雑で、かつ有料プランやSelf-hosted版の一部制限に関わる場合があるため、「手軽にバックアップしたい」だけなら上記の自動ワークフロー方式が最も柔軟でコストがかかりません。
バックアップからの復旧時の注意点
自動バックアップしたJSONファイルから復旧する際は、以下の点に注意してください。
- Credential(認証情報)は含まれない: セキュリティ上、APIキーやパスワードなどの認証情報はJSONに含まれません。復旧先のn8nで再度Credentialの設定が必要です。
- IDの重複: 同じn8nインスタンスにインポートする場合、IDが重複してエラーになることがあります。その場合は「新規ワークフロー」としてインポートされます。
まとめ
「自動化ツールのバックアップを、手動でやる」なんてナンセンスです。
- 個別保存: 右上のメニューからExport。
- 全体保存: n8n API × Google Driveで自動化。
この仕組みを最初に作っておくだけで、サーバーが飛ぼうが、間違って消そうが、昨日の状態に必ず戻せます。今すぐ「バックアップ用フロー」を作成することをおすすめします。

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