はじめに
「プレゼン資料にAIで作ったイラストを入れたいけど、後で著作権侵害と言われないか不安…」
「SNSのアイコンをAIで作ったけど、これって法律的に大丈夫なの?」
AI画像生成が日常化した2026年現在でも、著作権に関する不安は消えません。結論から言えば、AIで作った画像を商用利用すること自体は「適法」です。
しかし、「使い方」や「生成プロセス」を間違えると、著作権侵害で訴えられるリスクは確実に存在します。
本記事では、最新の法解釈(文化庁の見解)に基づき、クリエイターや企業の担当者が「安全にAI画像を仕事で使う」ための具体的なチェック手順とツール活用法を解説します。
【結論】「類似性」と「依拠性」の2つが揃うとアウト
著作権侵害になるのは、以下の2条件が揃った時だけです。
- 類似性(似ているか): 既存の著作物と見た目がそっくりであること。
- 依拠性(知っていたか): 既存の著作物を知っていて、それを元に作ったこと。
結論:つまり、「特定の既存キャラクターや作家名をプロンプトに入れて生成した画像」は極めて危険です。逆に、それらを避けて生成し、念のため類似チェックを行えば、リスクは限りなくゼロに近づきます。
リスクを回避する3つの鉄則
鉄則1: プロンプトに「作家名・作品名」を入れない
「ジブリ風」「ピカチュウのような」といった固有名詞(プロンプト)を入れて生成すると、「依拠性(元ネタを知って真似した)」があったとみなされやすくなります。
【AI活用】ChatGPTで「画風」を言語化するテクニック
作家名を使わずに、欲しいスタイルを再現するには、ChatGPTに画風を「言葉」で分解させましょう。
▼ スタイル言語化プロンプト例
あなたは美術評論家です。
「新海誠監督のアニメ背景」のようなスタイルで画像を生成したいのですが、固有名詞(作家名や作品名)を使わずに、その画風の特徴を具体的な英語の描写プロンプトに変換してください。
(例:照明、色彩、雲の描き方など)
出力例:
High contrast, vibrant blue sky, towering cumulonimbus clouds, lens flare, hyper-detailed cityscape, emotional lighting...
このように、特徴を表す一般名詞だけで構成すれば、特定作家への依拠性を回避しやすくなります。
鉄則2: 生成後に「Google Lens」で類似チェックをする
「偶然似てしまった」場合もトラブルの元です。公開前に必ず画像検索を行いましょう。
手順:
- Chromeブラウザなどで生成した画像を開きます。
- 画像を右クリックし、「Googleで画像を検索(Google Lens)」を選択します。
- 検索結果に「激似のイラストや写真」が出てこないか確認します。
もし構図や配色が酷似している既存作品が見つかった場合は、そのAI画像は使用せず(ボツにし)、再度生成し直すのが安全です。
鉄則3: 「クリーンなAI」を選ぶ
MidjourneyやStable Diffusionはネット上のあらゆる画像を学習していますが、権利関係をクリアにした画像のみを学習させたAIツールを使うのも一つの手です。
- Adobe Firefly: Adobe Stockの画像や著作権切れのコンテンツのみを学習しており、商用利用時の法的補償(知的財産権の補償)も提供されています。企業の案件では最も安全な選択肢です。
- Getty Images AI: こちらも権利クリアな画像のみで学習されています。
AI画像に「著作権」は発生するのか?
逆に「あなたが作ったAI画像」を他人に勝手に使われた場合、著作権を主張できるのでしょうか?
2026年現在の通説では、「AIが自動生成したもの」には原則として著作権が発生しません。
ただし、以下のような「創作的寄与」があれば認められる可能性があります。
- 何百回もプロンプトを試行錯誤して調整した。
- Photoshopなどで人間が大幅に加筆・修正した。
- 長文の詳細なプロンプト自体には独自性がある。
「一発出しの画像」はフリー素材と同じ扱いになる可能性が高いと覚えておきましょう。
まとめ
AI画像の商用利用は「安全運転」さえ心がければ怖くありません。
- 入力時: 特定の作品名・作家名をプロンプトに入れない(ChatGPTでスタイルを言語化する)。
- 出力時: Google Lensで類似画像がないかチェックする。
- ツール選び: 不安ならAdobe Fireflyを使う。
Next Action: これから生成する画像について、まずはChatGPTに「この画風を固有名詞なしで説明して」と相談するところから始めてみてください。


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