「AIに目標を与えるだけで、勝手にタスクを作って実行し続ける…」
そんなSFのような「自律型AIエージェント」ブームの火付け役となったのがBabyAGIです。
「エンジニアじゃないと動かせないんでしょ?」と思われがちですが、実は正しい手順さえ踏めば、あなたのパソコン(Mac/Windows)でも数分で起動できます。
本記事では、Pythonの環境構築などでエラー地獄に陥らないよう、「Docker(ドッカー)」を使った最も確実で簡単な導入手順をステップバイステップで解説します。
BabyAGIとは?何をしてくれるの?
BabyAGIは、開発者のYohei Nakajima氏によって作られたPythonスクリプトです。仕組みは非常にシンプルで強力です。
- 目標(Objective)を決める(例:「Twitterのフォロワーを増やす戦略を立てて」)
- タスクリストを作る(例:「トレンドを調査する」「ツイート案を作る」)
- 実行する(OpenAIを使って中身を書く)
- 結果を見て、次のタスクを考える(「案ができたから、次はハッシュタグを選定しよう」)
このループを「目標が達成されるまで(または手動で止めるまで)永遠に繰り返す」のがBabyAGIです。
事前準備:必要なものリスト
インストールを始める前に、以下の2つを手元に用意してください。
- OpenAI API Key: OpenAI公式サイトで発行します(クレジットカード登録が必要)。
- Pinecone API Key (任意): 長期記憶を持たせたい場合に必要ですが、初心者はまず「記憶なし(Web検索などの拡張なし)」の基本構成で動かすことを推奨します。今回は最もシンプルな構成で進めます。
【完全ガイド】BabyAGI導入の4ステップ
Step 1: 魔法の箱「Docker Desktop」を入れる
BabyAGIを動かすには複雑なプログラム環境が必要ですが、それらを全部パック詰めにした「Docker」を使えば一発です。
- Docker Desktop公式サイトから、自分のOS(Windows/Mac)に合ったものをダウンロード&インストールしてください。
- インストール後、Docker Desktopを起動し、ステータスが「Engine running(緑色)」になればOKです。
Step 2: BabyAGIをダウンロードする
ターミナル(Mac)またはPowerShell(Windows)を開き、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
git clone https://github.com/yoheinakajima/babyagi.git
cd babyagi
※「gitがない」と怒られた場合は、Gitをインストールするか、GitHubのページから「Code > Download ZIP」でダウンロードして解凍し、そのフォルダをターミナルで開いてください。
Step 3: 設定ファイル(.env)を作る【最重要】
ここが一番の難所です。ダウンロードしたフォルダの中に .env.example というファイルがあります。これを編集して本番用の設定ファイルにします。
.env.exampleファイルの名前を.envに変更します(.exampleを消す)。- テキストエディタ(メモ帳やVS Code)で
.envを開きます。 - 以下の部分を書き換えます。
# 自分のOpenAI APIキーを貼り付ける
OPENAI_API_KEY=sk-xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
# 使用するモデル(gpt-3.5-turbo または gpt-4)
OPENAI_API_MODEL=gpt-3.5-turbo
# --- ここから下はタスクの設定 ---
# 目標(Objective)
OBJECTIVE=Solve world hunger
(例:世界に日本のカレーを広めるマーケティング戦略を立てる)
# 最初のタスク(Initial Task)
INITIAL_TASK=Develop a task list
(例:タスクリストを作成する)
書き換えたら保存して閉じます。
Step 4: 起動コマンドを叩く
準備は整いました。ターミナルに戻り、以下のコマンドを実行します。
docker-compose up
初回は必要なデータのダウンロードに数分かかりますが、完了すると…
*****OBJECTIVE*****
という文字が表示され、勝手にAIが思考を開始します!
停止したい時は、キーボードの Ctrl + C を押してください。
初心者が注意すべき「お金」の話
BabyAGIは楽しいですが、放置すると危険です。
- 無限ループ課金: BabyAGIは放っておくと永遠にタスクを作り続け、API利用料(OpenAIへの支払い)が発生し続けます。
- 対策:
.envファイルの中にDOTENV_EXTENSIONSという設定があれば、そこにループ回数制限を設定するか、最初は必ず画面を見ながら動かし、満足したらすぐに止める癖をつけてください。
「黒い画面は無理!」という方へ
「やっぱりコマンド操作は怖い」という方は、ブラウザだけで動くWEB版の類似サービス(Godmodeなど)や、以前紹介したノーコードツール「n8n」のAIエージェント機能を使いましょう。
本家BabyAGIは「AI開発の歴史的遺産」として、一度ローカルで動かしてみると仕組みの理解が深まります。
まとめ
BabyAGIの導入は、Dockerを使えば難しくありません。
- Dockerを入れる。
.envにAPIキーを入れる。docker-compose upで起動。
自分のPCの中で、AIが必死にタスクを考えて実行している様子を見るのは感動的です。ぜひ一度体験してみてください。
参考文献・リンク
- BabyAGI GitHub Repository – 公式ソースコード
- OpenAI API Keys – キーの発行


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