macOSでApple Intelligenceを使っていない人や、Macのストレージを空けたい人に向けたTipsです。GitHubで公開されているオープンソースツールRemoveMacAI(MITライセンス)を使うと、Apple Intelligenceをオフにしてモデルを削除し、分析データの送信や広告、ポップアップも止められます。ネイティブアプリ版とCLI版があり、変更内容は実行前に確認でき、すべて元に戻せるのが特徴です。執筆時点でリポジトリのStarは4.8k、Forkは138です。
Debloat macOS. Turn off Apple Intelligence and delete its models, stop the analytics and ads, quiet the pop-ups, switch off other apps’ background updaters and get disk space back. You see every change before it happens, and every change can be undone.
READMEによると、Apple Intelligence部分の土台は4evy氏の「pared」です。Appleのアセットサービス、モデルセット、設定キーの調査はpared側で行われています。The Verge、Ars Technica、The Register、MacRumors、AppleInsider、Help Net Securityが記事で取り上げ、Daring Fireballもリンクしています。
前提・必要なもの
- macOS(リポジトリのトピックには
macos-27が付いています) - ターミナル(アプリケーション > ユーティリティ)
- Homebrewで入れる場合はHomebrew
- MDMで配布する場合は、Jamf、Kandji、IntuneなどのMDM
なお、どのくらいの容量が空くかは環境によって変わり、元記事に具体的な数値は載っていません。実行前に removemacai status で各機能のモデルサイズを確認できます。
手順
- アプリ版を入れる。ターミナルに次の1行を貼り付けてReturnを押します。最新リリースをダウンロードしてSHA-256チェックサムを確認し、アプリケーションフォルダに配置して起動するところまで自動で行います。
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/omlahore/RemoveMacAI/main/install.sh | bash -s app手動で入れたい場合は、最新リリースからRemoveMacAI.zipをダウンロードして解凍し、アプリケーションフォルダにドラッグします。
- CLIだけを使う場合。次のコマンドは一時フォルダからCLI版を実行し、何もインストールしません。
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/omlahore/RemoveMacAI/main/install.sh | bashHomebrewで入れる場合は
brew install omlahore/tap/removemacaiです。アプリとCLIは同じプログラムで、Undo履歴も共通です。 - 状態を確認する。
removemacai statusで、Apple Intelligenceの機能ごとの状態とモデルのサイズが表示されます。 - オフにする。
removemacaiを実行すると、現在の状態を表示したうえでオフにします。使っている機能を残したい場合はremovemacai off --keep <features>と指定します。 - プリセットを適用する。
removemacai apply --preset recommendedを実行します。Recommendedは、Apple Intelligence・分析データの送信・パーソナライズド広告をオフにしてポップアップを消し、普段使っている機能には手を付けません。Maximum privacyは、これに加えてGame CenterとSafariの検索候補もオフにします。 - 空き容量を確認する。
removemacai cleanで、空けられる容量が表示されます。項目名を指定すると、その項目がゴミ箱に移動します。 - 元に戻す。個別に戻すなら
removemacai undo <tweaks>、Apple Intelligenceだけを再度オンにするならremovemacai on、すべてを戻すならremovemacai revertです。
apply・undo・background・clean は、実行前に変更内容を表示して確認を求めます。--dry-run を付けると表示だけして終了し、--yes を付けると確認を省略します。
Macの管理者は、removemacai export で構成プロファイルを書き出し、MDMで配布できます。
removemacai export RemoveMacAI.mobileconfig --preset recommended
ただし、FinderやDockなどユーザーごとの設定はプロファイルに含まれません。これらは各Macで removemacai apply を実行して設定します。
注意点・ハマりどころ
- アプリは公証(notarize)されていません。初回起動時にmacOSが「検証できません」と警告します。システム設定 > プライバシーとセキュリティの下の方にある「このまま開く」をクリックしてください。
- 構成プロファイルの承認が必要です。Apple Intelligenceやロック付きの設定はmacOSの仕様上、構成プロファイルでしか変更できないため、システム設定でプロファイルを承認する必要があります。プロファイルを削除すると、これらの変更はすべて元に戻ります。
- すぐに削除されるものがあります。ストレージ整理で消すファイルは基本的にゴミ箱に移動するだけです。ただし、使えなくなったシミュレータとTime Machineのローカルスナップショットは、
simctlとtmutilによってその場で削除されます。 - 標準アプリは削除できません。Appleの標準アプリは保護されたシステムボリューム上にあり、削除するにはSIP(システム整合性保護)を無効にする必要があるため、このツールの対象外です。
仕組みについて、READMEには次のように書かれています。
System Integrity Protection stays on, nothing under /System is modified, and RemoveMacAI makes no network requests and collects no data.
ロック付き以外の設定は defaults write と同じ方法で書き込まれます。変更前の値は ~/Library/Application Support/RemoveMacAI/journal.json に記録され、undoするとその値に正確に戻ります。モデルはAppleのアセットサービス経由で削除されます。さらにプロファイルでダウンロード先をローカルの閉じたポートに向けるため、macOSがモデルを再ダウンロードすることはありません。
まとめ
- RemoveMacAIを使うと、Apple Intelligenceのオフ、モデルの削除、再ダウンロードの防止までまとめて行えます。
- アプリとCLIは同じプログラムで、変更前の値が記録されるので
revertですべて元に戻せます。 - 公証されていない点と、一部のデータはゴミ箱を経由せずすぐ削除される点には注意が必要です。
実装家視点で言うと、このツールで一番評価できるのは容量が空くことよりも、変更前の値をjournal.jsonに記録してから書き込む作りです。macOSの設定をいじるスクリプトは、元に戻せなくなりがちです。RemoveMacAIでは --dry-run で変更内容を確認してから適用でき、tweaks --json で状態をスクリプトから確認することもできます。自分のMacで試すなら、まず status と --dry-run で影響範囲を確認し、Recommendedプリセットから始めるのが安全です。


コメント